文・河野正士 写真・河野敦樹 text / KOHNO Tadashi photos / KAWANO Atsuki
Pゼロ。言わずと知れた、ピレリの最高峰ブランドである。1987 年にフェラーリF40の標準タイヤとして開発されたPゼロは、以来、数々のハイパフォーマンスカーの純正タイヤに指定され、いまやスポーツタイヤの代名詞となっている。
そんなPゼロが、ファッション界でも存在感を高めている。2002年、シューズとジャケットの、たった2つのアイテムでスタートしたこのブランドは、しかし年を重ねるごとに新しいスタイルをクリエイトし、“P”のロゴマークとともにファッション界に深く浸透していった。
ここで紹介するのは、その最新コレクションだ。シェイプされたノーズ、大きくくびれたウエスト、そして小ぶりのヒール。スニーカーながら、まるでドレスシューズのようなエレガントなスタイルが与えられている。
それだけではない。タイヤグルーブをモチーフにしたソールには、タイヤ開発で培ったオリジナルラバーを採用。アッパーにはカーボンファイバーや金属パーツを彷彿とさせるハイテクファブリックに加え、レザーやエナメルなど、ノスタルジックな素材をバランス良く組み合わせる。
クルマの潜在能力をいかに引き出すか。時には主役を喰ってしまうこのピレリの思想は、このPゼロにも受け継がれている。Pゼロの力を借り、F40のように、我々も誰もが振り返る存在になりたいものである。
文・河野正士 写真・河野敦樹 text / KOHNO Tadashi photos / KAWANO Atsuki
日本に新たなヘルメットブランドが上陸した。フランス生まれのエアーボーンだ。ジェット型帽体をベースとし、それにレザーを組み合わせたインテリアをセット。シンプルな塗り分けとシックなカラーが特徴だ。
こういったシンプル系ヘルメットは、日本の十八番だった。機能を重視した最新型ヘルメットを嫌った日本のライダーたちは、よりクラシカルなヘルメットを求めたのである。
しかしエアーボーンは、その流れとは違う。インテリアレザーに大胆なカラーを配し、リムカラーやスナップボタンまで、懐古主義とは異なる視点でデザインされている。
そう、エアーボーンはモードによってこのスタイルを生み出したのだ。
またエアーボーンには、忘れてはならないトピックスが2つある。
ひとつは、ウォッチブランドの“タグホイヤー”とのコラボを実現させたことだ。このヘルメットは、F1ドライバーのルイス・ハミルトンにもプレゼントされたという。
もうひとつは、オーナーがレイモン・ロッシュということだ。氏はかつて、さまざまなメーカーのワークスライダーとして世界GP(現Moto GP)を戦ったのち、ドゥカティの ワークスライダーとして、スーパーバイク世界選手権のシリーズチャンピオンを獲得したライダーなのだ。
そんなヘルメットが如何なるものか。ぜひ試してみたいものである。