文・編集部 写真・向後一宏 text / MOTOEdge photos / KOHGO Kazuhiro
「今の時期、バイクで走るのは本当に気持ちイイね」。引き締まったブラックのボディが眩しいピカピカのニューバイクを前に、上機嫌な笑みをこぼすのは、クルマ&バイク好きとしても知られるパンツェッタ・ジローラモ氏だ。
氏の目元を緩めるピカピカのニューバイクとは、まだ納車して間もないドゥカティの新型車「ストリートファイターS」。スーパーバイク「1098」からアップデートされたエンジンと前衛的なスタイリングは、08年のミラノショーで“世界一美しいバイク”に選ばれただけあり、凛としたなオーラを放っている。
実は、イタリア在住時代もドゥカティに乗っていたという氏にとってこのバイクは、「ムルティストラーダ1100S」、「ハイパーモタード1100S」に続き日本で所有する3台目のドゥカティになる。「ハイパーモタードもクールでクイックなバイクだったけれど、ストリートファイターSはとにかくパワフル。ポジションもいいし、乗っていてワクワクさせられるよ」
そう語り、刺激的なイタリアンバイクに心躍らせる氏が駆るクルマもまたイタリア車、マセラティだ。高いデザイン性と伝統を誇るイタリア製品だが、その魅力はこうだとも続けてくれた。 「ドゥカティでも、マセラティでもイタリア車には、姿を確認しなくてもその存在に気付かされる独特のエンジン音がある。しかも、不思議とこちらのテンションを上げてくれる。このストリートファイターSも乗るほどに楽しくなりそうだよ」
官能的な2気筒エンジンが、徐々にその回転数を落としながら独特のサウンドとともに近付いてくる。エッジの利いたフォルムのバイクが目の前で停まると、スラリとした長身のイタリア人男性が状態を起こし、ヘルメットを脱ぐ。一瞬、ハリウッド映画のワンシーンが目の前に広がったような感覚に陥ったがそうではない。男性がマイバイクで会社へ向かうという、なんてことない日常の光景だ。ただ、平日の午後の東京でそんな錯覚を覚えるほどに、大人の男性とイタリアンバイクの代名詞ドゥカティはすこぶる相性がいいようだ。
バイクから降りてきたのは俳優ではなく、外資系コンサルティング会社に勤務するステファノ・ジョルダーノ氏。
あえてホワイトを選んだという真新しい「ストリートファイター」は、既に 「ハイパーモタード1100S」、「1098S」を持つ氏の、増車3台目となるドゥカティだ。「1098S」が サーキットで存分にそのポテンシャルを発揮してくれるのはもちろんだが、「ストリートファイター」は街乗りをメインに考えたコンパクトな車格とスーパーなエンジンの両方を備えているのが魅力だという。
早くこのバイクでワインディングを走りたいと目を輝かせる彼が今一番気になるクルマもまたイタリア産。1.4ℓターボエンジンに6MTを組み合わせるアルファロメオの新型車、「ミト」だ。
乗り込む者のテンションを高めるドライバビリティと華やかさがイタ車通をとらえる必須条件のようだ。
ネイキッドのボディにパワフル過ぎるほどのエンジンを組み合わせ、美しい外観とその走行フィーリングで世界中のライダーを魅了してきたドゥカティラインナップの要、モンスター。昨今、鮮やかなレッドだけでなくブラックやパールホワイトといったボディカラーも純正色に加わり、ライダーの選択肢の幅を広げています。もし、そのモンスターを好きな時に好きな色に替えることができたとしたら…?
オートバイを大人の趣味として所有する時、自分だけでなくオートバイのファッションも気軽にチェンジできる画期的な企画がドゥカティから発信されました。
写真・河野敦樹 photos / KAWANO Atsuki
TAMON Megumi
2輪専門誌を中心に活躍するモデル・ライター。初の大型バイクとしてモンスター696を所有。日々のアシとして毎日のように乗っているKANAYAMA Fumika
バイクを2台乗り継ぎ、次なるバイクを物色中。モンスター1100をラベンダー色に着せ替えるのが有力候補SUGA Saiko
趣味として中型免許を取得し、250㏄のバイクでモーターライフを送る大学院生。10色のモンスターの中では地中海ブルーがお気に入り