4月のDaily EDGE登場から数カ月……。バレーボール全日本代表の越川優選手は6月末の取材時の約束通り、見事世界最終予選での熱い戦いを経て、北京オリンピックの切符を手に入れた。そしていよいよ本番直前、やはりEDGE.netからも何かお祝いを……と、越川選手にコンタクトを取ったところ、「一生乗れないようなすごい車に乗りたい！」と、ご本人からリクエストが。

そこでEDGE.netは越川選手のリクエストをもとに“夢の車”をリザーブ。北京五輪という“夢のステージ”に挑む越川選手と全日本代表チームへのエールを込めたそのラインナップは、ランボルギーニ・ムルシエラゴ LP640、BMW M3、NISSAN GT-R、アストンマーティンV8……。

いずれも、カーマニア垂涎のEDGE感あふれるラグジュアリーカーばかりで、越川選手到着前から、撮影車の周辺には人だかりができたほど。

当日、試乗会場に現れた越川選手は、“夢の車”を目の当たりにして「う、うわぁ……。すごいとしか言いようがないですね」と一瞬でテンションはレッドゾーンに。

「今日は、本当に楽しみにしていたんです。最終予選が終わってからも、所属するサントリーサンバーズの練習に加えて、ワールドリーグもあり、なかなか気の休まる時間がありませんでした。他にも壮行会を開いていただいたり、世界最終予選でキャスターをされた櫻井翔さんがメンバーの嵐のコンサートに呼んでいただいたり、忙しく過ごしていました。よく植田（達哉）監督やオギさん（荻野正二選手）が『オリンピックは人生を変える』と言っていた意味が少しわかってきたような気がします。今日の車だって、五輪出場権を獲得していなかったら一生乗れなかったかもしれない、すごい車ばかりですから（笑）」

北京五輪への出場権を勝ち取ってからというもの、越川選手を取り巻く環境は一変した。「地元での“知り合い”が増えた（笑）」ことをはじめ、取材依頼も激増。『朝ズバッ！』、『とくダネ！』など報道番組への生出演や、一般誌・週刊誌からの取材依頼も殺到した。五輪出場権を勝ち取ったことで、これまでと違うステージに立っていることを実感する機会が増えたという。

「周囲の変化には、少し戸惑うところもあります。僕自身は（前回、Daily EDGEの取材があった）3月と変わっていないつもりなんですが……。

あ、でも、ひとつ変わったことがあります。あの頃はオートマ（AT）限定免許だったんですが、その後AT限定を解除してマニュアルにも乗れるようになったんです！」

2003年にサントリーサンバーズ入団当時、寮暮らしだった社員契約の新人は2006年にプロ契約と一人暮らしを、2007年には現在の愛車、BMW335iを手に入れた。2004年、アテネ五輪予選直前に代表落ちを経験した期待の若手は、2008年には代表の中心となり、北京五輪出場を勝ち取った。

“夢のステージ”には、一朝一夕でたどり着くことはできない。そこは、努力し続けた者だけがたどり着くことができたステージ。だが、アスリートには休息も必要だ。

近年のスポーツ医学でも一般的になった“超回復”という筋量増大メソッドからもわかるように、アスリートを成長させるのは負荷と休息のバランス。この日“夢の車”に触れた越川選手は、少しの休息と新たな刺激をジャンピングボードにして北京の地に降り立つ。