構成・松浦達也 尾崎亮 Text/MATSUURA Tatsuya OZAKI Ryo

- 吉岡
- 例えば、512あたりとなるとどうなんでしょう。
- 榎本
- 細かい故障は減っているんですが、駆動系の大きな故障が出る可能性があるんです。例え話になりますが、500万円で買えるけど壊れたら直せないようなテスタロッサと、1000万円するけど壊れても150万円で直せますというものとなると、やはり購入する層は異なりますよね。
- 堀江
- 端的に言うと、破滅型か堅実型か(笑)。
- 吉岡
- 僕は完全に破滅型です(笑)。以前乗っていたテスタロッサも500万円くらいで譲って頂いたものでしたから。
- 榎本
- 328、348、355、360あたりでしたら、信頼できるショップさんできちんと整備された車ならそんなに大きな不具合は出ないと思いますよ。ただそういう出物はやはり激安価格ではありませんよね。専門店じゃなくても掘り出し物はあります。例えばショップのオーナーさんが自分で乗っていらしたのを売りに出したり、お友達の車を委託販売みたいな形で引き受けたりというパターンですね。ただどうしても専門店と比べると行き届かない面はあるので、多少の覚悟は必要かもしれません。
- 吉岡
- 私のような一般のサラリーマンとなると、いくら「好き」とは言っても実車に触れる機会がそれほど多くありません。どこをどう見たらいいんでしょうか。

- 榎本
- やはりショップ選びが一番の分かれ目になると思います。手前味噌になりますが、うちのように「全車保証つき」という形で売っている店ならある程度安心できると思います。あとはイベントなどで実際にフェラーリに乗っている知り合いを作ること。やはり実際のオーナーさんはよくご存じですから。
- 堀江
- 逆に「全車保証つき」にしているからこそ、テスタロッサのような「イチかバチか」という車が扱いにくいという面も……?
- 榎本
- あります。だからショップに対してはそういう車について、どう説明するかというところもチェックポイントになるかもしれません。
- 吉岡
- テスタロッサなのに「長く乗れます。壊れても100万くらいで直せます」と自信満々に言うような店は怪しいと(笑)。
- 榎本
- なかにはそういうデッドストックもあるかもしれません。うちにもいま1600kmしか走っていないGTBが入っていますから、出てくる可能性はゼロじゃないんですよね。ただやはり可能性としては低い。
- 堀江
- 車種のラインナップを拝見しているとかなり幅広いですよね。「GTはBじゃなければ」とか「色はロッソカラーでなければ」など、お客さんそれぞれのこだわりがありそうですが、どんなお客さんが来店しても大丈夫そうなラインナップです。特にいま品薄だと言われる355も充実していますよね。
- 榎本
- 恐らく去年、世界一355を売ったショップはうちだと思いますよ(笑)。このところ355だけでも月に7~8台は納車していますから。だいたい週の半分くらいは名古屋や大坂、九州に355の買いつけに行っていますから。