文・藤野太一 Text/FUJINO Taichi


Lotus Exige
- 堀江
- 失礼ですがおいくつですか?
- 西埜
- 43歳です
- 堀江
- ってことは昭和41年生まれ。だとすると、きっとちょうど自分のなかで何か一つ確立したものがあって、ここでもうひとつつき抜けたいって、そういうタイミングですよね。周りをみてると、なんとなく30代中盤から後半くらいで落ち着きはじめて、それを超えてもうひとつ頑張ってみたくなる世代じゃないですか。もう一回暴れん坊に戻るんですよ、マインドが。
- 西埜
- なるほど、それは当たってますよね。
- 堀江
- そうすると、趣味のクルマはなにも年がら年中乗るわけじゃないんで、面白い方がいい。今オートバイに行っちゃうような人たちもそういう傾向があったりします。何か自分を発憤させてくれるものだったりとか、自分のエネルギーを確認させてくれるとか。だから多少使いづらいくて、自分しか乗れないくらいのほうが良かったりする。
- 西埜
- まさしくそれです。典型的な40代ですね
- 堀江
- いや、でもこれは実行できる人とできない人がいるんですよ。30代でパワーを使い切っちゃった人はできない(笑)。いろんなうねりがあるじゃないですか、いい時もあれば、悪い時もある。そこをうまく乗り越えられると、もういっちょ戦う気になるんですけど、そこで疲れちゃう人って結構多いんです。まして今どきクルマの買い替えの話とかになると、そもそも買えないよねって。そんなことより将来、年金貰えないんじゃないかとか心配している。そういう人が本当にいるんです。クルマに限らずですけど、もっとアグレッシブにいろんなことに挑戦したほうがいいと思うんです。
- 西埜
- ただ、経済的なこともあるでしょうし、本当に買えるのかっていう・・・。
- 堀江
- いや、僕がこんなこと言っちゃうのは問題かもしれないですけど、買わなくてもいいのかなと(笑)。 そういうことを面白がっていることが結構重要だったりすると思うんです。クルマも買わないまでもたまに店に見に行く、そんなアクションが結構マーケットにとっては活性化につながるのではないかと。
- 西埜
- なるほど
- 堀江
- あの、やっぱりオートバイの免許を取られたほうがいいかもしれません。日本のバイクの販売台数はどんどん落ちてきているんですけど、売れているのはほとんど小型二輪とか原付だったりするんですね。一方、輸入車で販売台数を伸ばしてきている筆頭でいうと、ハーレーダヴィッドソン、つづくところでいうとBMW、やはり趣味性の高いバイクが増えていますね。最近はヘルメットとかウエアとかギアがとてもお洒落になってきています。ちょっと攻撃的な自分を演出するなら四輪以上に面白いかもしれません。高速道路でも二人乗りできますし、ETCも付く。

Lotus Exige 内装

HarleyDavidson VRSCDX R
- 西埜
- 本当は両方欲しいんです。
- 堀江
- 両方がいいですね。ロータスとの2台体制だと、尖がりすぎかもしれませんが(笑)
- 西埜
- 両方バイクみたいな。変な話ですけどロータスって雨でも大丈夫ですか? フェラーリとか雨の日は乗れないって言われるじゃないですか
- 堀江
- ぜんぜん普通に乗れますよ。もちろん古いモデルで328とか348とか、特にSのタイプ(スパイダー)だと雨漏りも多少あるとは思いますが。エキシージは新しいモデルですし、問題ないでしょう。
- 西埜
- 355くらいだと問題ないんですかね?
- 堀江
- 知り合いで355で15万km走った人がいます。つい、こないだやっと壊れたって(笑)。名古屋で店を4軒ぐらい経営していて、その店舗をローテーションして帰ってくるというのを日課にしているそうなんです。オイル交換もそんなに神経質にならなくてもいいし、タイヤも普通に走るだけなのでぜんぜん減らないし、電装系のトラブルもほとんどなかったって言ってましたね。
- 西埜
- エキシージを知るまでは355を真剣に買いたいと思っていて、清水草一さんの本も読みましたね。
- 堀江
- そういえば、清水さんまた355を買ったんですよ。 328は手放されて。清水さんがとっても偉いのはフェラーリを磨いてばかりというわけじゃなくて、ちゃんと本気で走ってるんですよ。自分好みに改造とかもしたりしますし。
- 西埜
- 清水さんの本を読んでみると、普通に買えるんだって気もしたんですけど、やっぱりどうしても維持費が大変なんじゃないかと思ってしまうんです
- 堀江
- 今、お話を聞いていて、結論として355に行っちゃったほうがいいんじゃないかと思ってきました。ロータスほどスパルタンではないですが、高速道路で思わず鼻歌を歌いたくなるくらい楽しいクルマですから、355は(笑)。スパルタンなバイクに355を加えるってことでいきましょう。
- 西埜
- 実はロータスも355も運転席とか助手席に乗った経験って全くないんですけど(笑)
話は尽きることなくまだまだ続き・・・。そして、この座談会の後日、西埜さんから以下のような手紙をいただきました。
西埜さんのエキシージあらため355購入計画、さらに続きがありそうです。
そして、座談会の半年後、西埜さんが購入したのは…購入談を読む