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E36型は旧モデルになったとはいえ、基本となるメカニズムは現行モデルとほぼ同じだ。特にリアサスペンションには、新世代のシステムを採用している。
セントラルアームアクスルと呼ばれるこのサスペンションは、セミトレーリングリンク式とダブルウィッシュボーン式の良いところを組み合わせたような形をしており、横剛性、前後剛性ともに高く、ロール時にも地面に対するタイヤの傾き角を小さくすることができる。E36型の卓越した操縦安定性の高さは、このリアサスペンションによるものだ。
エンジンは1.8Lの4気筒と、2L、2.5L、2.8Lの6気筒という構成。BMWの6気筒エンジンは「シルキーシックス(絹のような6気筒)」と呼ばれ、回転の滑らかさは折り紙付き。ならば6気筒がオススメかといえば、3シリーズならではの軽快感は、ノーズの軽い4気筒車のほうが上とも言われる。選ぶほうは頭が痛いモデルなのだ。 |
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←剛性が高く、優れた路面追従性を発揮するセントラルアームアクスルを採用しているのも特徴だ |
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E36型3シリーズの基本フォルムは、ローノーズ&ハイデッキのウエッジシェイプ(くさび型)。注目してほしいのは、前ドア前端部から前輪までの長さ。他車に比べて、間延びして見えるほど長く取られているのがわかると思う。実はこれは、操縦安定性を高めるための設計が外観に表れている部分だ。
操縦安定性を高めるためには、前後のタイヤからはみ出すオーバーハングは短くしたい。が、切り詰めるには限界があるから、前輪の取り付け位置を思いきり前に出しているのだ。その結果、エンジンの重心は前車軸より後方に位置し、「フロントミッドシップ」とも言うべきレイアウトになっている。
インテリアもスポーティで、ドライバー側に傾けられたセンタークラスターは、スポーツカーのよう。BMWが、いかに「フロイデ・アム・ファーレン(運転する楽しさ)」を重視しているかが垣間見える部分だ。 |
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←スポーツカーのように、操作機器類がすべてドライバーに向けられているのもこのモデルのポイント |
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