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アストラには特別な先進性を謳うメカニズムは採用されていないが、基本を押さえた堅実な設計がなされている。
日本に導入された当初は、エンジンは2LのSOHCのみだったが、実用域では特に不満のない性能を発揮した。1996年になると、「エコテック」と名づけられた新世代の4バルブDOHCエンジンへと進化。シリンダーブロックの剛性なども高められ、騒音・振動ともに大幅に減少した。エンジン排気量も、1.6L、1.8L、2Lの3種類となり、主力エンジンは1.8Lとなった。
サスペンションは標準的な構成で、フロントがストラット式、リアがツイストビーム式。軽量で場所を取らず、小さいボディで大きな空間を確保したい欧州製小型車に好んで使われている。
トランスミッションは4ATが中心で、MTは新車価格が200万円を切っていた最廉価仕様のCLと、スポーティ仕様のGSiから選択可能だ。 |
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←高年式のモデルに搭載されているエコテックエンジンはDOHC化による出力向上と低燃費化を実現している |
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ドイツ車というと、BMWやM・ベンツのような威圧感のあるデザインを連想してしまうが、アストラはまったく逆。現在見ても「少し前の国産車?」というくらい、押し出し感がない。没個性的ではあるが、そのぶん飽きにくい堅実なデザインだ。
しかしよく見ると、オペルならではのこだわりがそのデザインにあることがわかる。オペルは当時から空力にこだわっており、前後の絞り込みが強いフォルムを採用していた。空気抵抗係数は0.30で、現在の水準からすると驚くようなレベルではないが、当時としてはトップレベル。実際、高速走行時では風切り音が小さく、燃費も良かった。
内装もまた質実剛健で、色気こそないが使い勝手は良好。大柄なドイツ人に合わせて作ったシートのサイズはたっぷりしており、適度な硬さで疲れも少ない。後席の座面は前席より70mm高くレイアウトされており視界も良好。ひざ元の空間にも余裕があるのが特徴だ。 |
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↑大きなスピードメーター、シンプルな表示の計器類など、ドライバーの視認性や操作性を重視している |
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↑シートの座面は奥行きがあって厚みも十分。長距離ドライブでも疲れない。インテリアは実にシンプル |
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