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空冷水平対向6気筒エンジンをリアに搭載するリアエンジンリアドライブ(RR)方式を採用するのは、初代911からの伝統となっている。
RR方式は、加速時に駆動輪に多くの垂直荷重がかかるため、ホイールスピンしにくく加速力を有効に生かせるが、一方でコーナリング時には、重たいリアが遠心力で振られやすく、スピンモードに陥りやすいという欠点もある。そこでリアタイヤをフロントタイヤより太くしてリアのグリップを高め、ステア特性のバランスを確保している。
3.6Lの自然吸気エンジンは、SOHC2バルブながら250psを発生。先代の930から空力が改善されたボディを260km/hまで引っ張る。
新技術の導入にも積極的で、ティプトロニックと呼ばれるポルシェ初のATや、カレラ4というフルタイム4WDをラインナップに加えたのも、911としては964が初めてである。
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←伝統の水平対向6気筒空冷エンジンは3.6Lに排気量アップ。同時に、ツインプラグ化されている |
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低く前傾したボンネットと、対照的に前まで水平に引っ張ったフロントフェンダー、その前端に丸型2灯のヘッドランプを配置するのは、初代911から続く造形のアイデンティティだ。
軽自動車より短い2272mmというホイールベースと、スポーツカーとしてはかなり長い前後のオーバーハングも、独特のフォルムを生んでいる。
フロントガラスの角度も、スポーツカーとしては異例に立っており、ドライバーズシートから前を見ているかぎり、特別なスポーツカーに乗っているという感覚はあまりない。
メーターパネルは911伝統の丸型5連メーターで、大径のタコメーターが中央にくる。オーディオスペースは1DINしかなく、スイッチ類も慣れないと何がどこにあるのかわからない。
シートレイアウトは基本的に2+2だが、リアシートは狭く、エマージェンシー用と考えたほうが良いだろう。
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←5連メーターは初代モデルから踏襲されたデザインだ。964型のメーター照明は透過光式に変更された |
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