| 1989年8月～ | 1990年10月～ | 1991年8月～ | 1992年8月～ | | 1993年2月～ | 1993年12月～ |

	911は、先代の930型からボディシェルやメカニズムを一新し、964型としてデビューした。当初の964型は、959にも採用されていた4WDを採用した「カレラ4（左ハンドル/5MT）」のみのラインナップ。エンジンは3.6L水平対向6気筒の自然吸気エンジンで、1気筒当たり2本の点火プラグをもっていた。また、時代に則してABSやパワーステアリングといった安全、快適装備も標準で採用していた。 ↑ポルシェ959に採用されていた4WDを改良し911に搭載。操縦安定性の大幅な向上を実現した ↑イージードライブを実現したパワーステアリング。ダイレクト感は薄れたが女性でも操舵できる軽さだ  このページのトップへ ↑後輪駆動モデルのカレラ2は、カレラ4よりも車両重量が100kg軽く、運動性能も優れていた ↑911のオープンモデル「カブリオレ」も1990年モデルから投入。電動ソフトトップを採用している 　911の伝統とも言えるRR（リアエンジンリアドライブ）のカレラ2が、964型デビューから約1年を経て登場した。カレラ2には、任意でシフトチェンジを行うことができるセミオートマチック「ティプトロニック」が設定（右ハンドル車のみ）されていた。また、クーペのみだったボディに、タルガとカブリオレも追加。さらに1990年モデルからは日本仕様のみ、カレラ2/4とも右ハンドルが選べるようになった。  このページのトップへ 　930型でも人気の高かったターボが、964型でついに登場。3.3L水平対向空冷エンジンを搭載して、最高出力320psを発生した。ターボ車は専用デザインのミラー、アルミホイール、そして運転席/助手席エアバッグを標準で装備している。また1991年モデルから全グレードでテールランプ上部にエア抜きのスリットが追加され、同時にサスペンションのセッティング変更、インテークマニホールドの材質変更などが実施されている。 ↑1991年モデルから、ハードダンパー、強化スプリング/スタビライザーなどをオプション設定した ↑1990年に発表されたターボは、1991年モデルから市販を開始。幅広のリアフェンダーが特徴だ  このページのトップへ 　1992年モデルのトピックスは、ターボの専用装備だったエアロタイプのミラーとカップホイールと呼ばれる5本スポークアルミホイールが、全グレードに標準装備されたことだ。また、ティプトロニックのメーターインジケーターの改良、シフトスケジュール、サスセッティングの変更も同時に行われている。カレラ2カブリオレターボルックがカタログモデルとなったのも、この1992年モデルからである。なお、同年にカレラRSが限定発売されている。 ↑1992年モデルよりターボと同じドアミラー＆ホイールを採用。より流麗なイメージに変化している ↑エアバッグも標準化。左ハンドルは運転席と助手席、右ハンドルは運転席のみに装備した  このページのトップへ 　1993年モデルは環境への配慮から、エアコンの冷媒の変更、ボディに使う水性塗料の採用などを行った。またメカニズム面では、ティプトロニックのシフトスケジュールの変更、およびシフトロック機構の採用も実施している。ターボモデルは3.6Lに排気量をアップし、グレード名を「ターボ3.6」とした。また1993年には、カレラ2スピードスター、ジュビリー（カレラ4クーペのターボルック）、カレラRS3.8＆RSR3.8といった限定車も登場している。 ↑911の源流である356のテイストを964にプラスしたカレラ2スピードスター。106台を販売した ↑3.3Lから3.6Lに排気量アップしたターボ。18インチの3ピースホイールが3.3Lとの外観の違いだ  このページのトップへ 　964型の後継車となる993型が登場したことで、カレラ2/4、タルガが1993年12月で生産を終了した。だが、993型の登場後もカレラ2カブリオレ、カレラ2スピードスター、ターボ3.6のみは継続販売された。なお、これらのモデルも1994年末で生産・販売を終了した。 ↑3.6L化されたターボユニットを新たに搭載。最高速280km/h、0→100km/h加速4.8秒を実現 ↑当初993にはカブリオレが設定されなかったため、964カブリオレを1994年まで継続販売した  このページのトップへ