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マスタングは、実にアメ車らしいアメ車である。2種類のV型エンジンは縦置きに搭載され、多少ルーズな4速オートマチックを介して後輪を駆動する。
3.8Lエンジンは、世界的にも珍しくなったOHV方式だ。あたかも「OHVは高回転まで回さない。コイツは3000rpmも回せば十分に楽しめるぜ」と主張するかのようにトルクフルで扱いやすい仕上げとなってる。リアサスも、このカテゴリーのクルマではほとんど見かけなくなった4リンクコイルリジッドだ。国産車や欧州車では高速走行時のスタビリティを求めてマルチリンクを採用するのが一般的。それを尻目に「高速走行?
アメリカの制限速度は55マイル(80km/h)だ。何の問題がある?」といったメッセージが込められているかのようだ。
スペックを気にするマニアには物足りないかもしれないが、必要十分であれば古いシステムでも気にせず使ってしまうあたりが、いかにもアメリカ的だ。 |
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←アメリカンなフィーリングを楽しめるV型エンジン。6気筒もしくは前期8気筒のOHVがオススメ |
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スタイリングは、ロングノーズ&ショートデッキ。伝統的なスポーツカーのプロポーションだ。ラジエターグリルの中央にギャロッピングホース(疾走する馬)のエンブレムがあしらわれるのも初代からの伝統である。現行モデルは外装も含めて大幅に手直しされた1999年のビッグマイナーチェンジで、いちだんと初代のイメージに近づいた。
ボディサイドとボンネット中央にはエアスクープが開けられているが、どちらもダミー。サイドのスクープは、初代マスタングのコンセプトカーがミッドシップであったことに由来する伝統的なもの。ボンネットのそれは、初めてレースに参戦するために作られたGT350のイメージを再現したものだ。
インパネは左右対称のデザイン。スポーツカーらしく、シンプルな造形を採用している。シートはバケット形状だが、クッションは柔らかく、包み込むような座り心地を提供する。 |
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↑インパネは左右対称デザイン。全車左ハンドル仕様で、コブラを除きすべて4速ATを採用している |
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↑2ドアのスタイリッシュなフォルムながら、しっかり4シーターを確保しているのもマスタングの特徴 |
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