越川優選手に100の質問 Q81~Q100
08/22
Q81. 今回のオリンピックでの目標は?
チームとしては一戦一戦勝っていくこと。メダル云々はその先にあることだと思います。個人的な目標で言うと、そのためにはチームから必要とされる、求められる仕事をやり通して、試合の最初から最後までコートに立つことですね。Q82. コートで自分に求められている仕事を具体的に言うと?
まず、最初はサーブで相手を崩すこと。そして、レセプション(※1)からサイドアウト(※2)を取るためのリズムを作っていくこと。そして、その仕事をゲームの最後までやりきるというのが、自分のなかのテーマですね。※1 サーブに対してのレシーブ。サーブレシーブとも
※2 サーブ権の移動。この場合は、相手にサーブ権があるときにポイントを取り、サーブ権を自らのチームに移動させることを指す
Q83. 世界最終予選を経て、自分自身で変わったことは?
コートに立つということの責任の重さが今までとは違って感じられるようになりました。世界最終予選では、監督の期待を感じながらも、最後までコートに立つという責任をまっとうできなかった。今までの「コートに立つ」ことへのこだわりは、「スターティングメンバーに入る」などといった漠然としたものだったんですが、最終予選ではそうした期待や責任を感じながら、最後までコートに立つことの重さを知りましたね。Q84. 過去に自分で「挫折」と感じた体験は?
やっぱり4年前にアテネに向けた最終予選のメンバーから外れたのは悔しかったですね。Q85. 自分で「ここは弱点だなぁ」と思うポイントはありますか?
たくさんありますよ。リズムに乗りきれないときに、立て直す力がまだ足りないと感じています。自分自身に対してもそうですが、チームに対しても、もっといい影響を与えられるようになりたいですね。チームを引っ張るリーダーのような部分というか。Q86. 例えばどんな場面でそう思いますか?
例えば、ゲーム中チームのリズムが良くないときに声を出して盛り上げたり、そういうリーダー的なメンタリティや雰囲気ですね。Q87. その意味で目標とするプレイヤーは?
オギさんなんかを見ていると、チームが苦しいときに流れを変えるような雰囲気があるし、ゴッツさんなんかは、チーム全体のムードを盛り上げながら、自分も調子に乗っていく。それぞれ、タイプというか手法は違いますし、僕はまた違うやり方になるとは思うんですが、そういう武器も身につけなくちゃ、とは思いますね。Q88. コートを離れたところで言うと、もしテレビCMの仕事が来たら、やりますか?
やります。ぜひやりたいです。Q89. 例えばどんなCMがいいですか?
うーん……。脱がなければ何でもいいです(笑)。Q90. 「脱ぐ」というのは、どこまで?(笑)
タンクトップでも、とにかく何か着させてもらえるならいいです(笑)。そういえば、CMで思い出しましたけど、最近、神戸女子大のCMに高橋みゆきさんが出ているんですよ。関西だけなんですかね? 健康スポーツ栄養学科ができるらしく、「高橋みゆきをもう1cm高く跳ばせる方法はあるか」、「正しく食べると勝利が近づく」というキャッチコピーで流れていて、少し羨ましいです(笑)。Q91. でも、越川選手はバレーボールマンガの作画モデルになっていますよね。
あ、コミックバンチの『アタック!!』ですよね。オリンピック前に取材を受けました。その取材のときまで知らなかったので「読者に向けてコメントを」と言われて、ちょっと答えに困ってしまいましたが(笑)。Q92. 作者の大島司さんは、主人公の高校生バレーボーラー「加藤晴鷹」君のフォームを描くにあたって、越川さんのフォームをかなり研究したそうです。ここにバンチ本誌がありますけど。
あ、まだ本誌は見たことがなかったんです! へぇ…。あ! 「加藤」だけでなく「千葉」さんとか、結構実際の選手をモチーフにした名前が出てくるんですね。面白いなぁ。Q93. 実際、ご覧になっての感想は?
僕はどうしても「この名前のモチーフはこの選手?」とか「このフォームは誰だろう」という部分が気になってしまいますけど(笑)、バレーボールを題材に取り上げていただけるのは、本当にありがたいことですよね。Q94. この先は海外移籍などは視野に入れていますか?
ぜがひでも、行きたいですね。Q95. 行くとしたら、どこの国がいいですか?
バレーの本場、ヨーロッパがいいですね。国となると、やはりイタリアですかね。Q96. 仮にイタリアに行くとしたら、どんな形が望ましいのでしょう。
向こうに行ったら、まず試合に出るために競争を勝ち抜かなければならない。でも、世界中からトップの選手が集まっているような、セリエAトップクラスのチームだと出場するのに時間がかかってしまうかもしれない。「まず試合に出る」ことが大切だから、1部でも中の下ぐらいのチームで活躍してステップアップしていくイメージですね。Q97. 1年目からトップレベルのチームというのはやはり厳しいんでしょうか。
1年目は厳しいでしょうね。やっぱりトップチームって、ブラジルやイタリアという世界のトップレベルの主力メンバーが集結している。その中に入ると控えからのスタートになってしまって、認めてもらうだけの機会がなかなか与えられないでしょうから。Q98. まずは、自分の力を評価してくれるチームで実績を積む、と。
そうですね。リーグ内で活躍しさえすれば、他のチームに移籍しても使ってもらえると思うんです。そこまで行ければ、あとは自分の力次第で勝負ができる。逆に、どんな強いチームに行っても、アピールできるだけの機会がなければ行く意味が薄くなってしまいますから。Q99. 逆に言えば、中位あたりのチームでなら、やれる自信はある。
中位くらいのチームのメンバーを見ると、チームランキングで日本よりも下のチームの選手がいたり、僕が見て「負けてないな」と思える選手もいたりするんです。となれば、自分が頑張れば試合にも出られるようになるでしょうし、上位チームとのゲームのなかで成長していけるんじゃないかと。Q100. あっという間に100問目になりました。もしバレーボーラーになってなかったら?
考えられないですね。でも、やっぱり何かのスポーツのアスリートになっていたのかな、と思います。1984年生まれ。2003年Vリーグのサントリーサンバーズに入団。2004年Vリーグ新人賞を獲得し、バレーボール全日本代表にも選出。06/07シーズンにはVリーグMVPも獲得。2008年の北京五輪では負傷リタイアとなったが、手術も無事成功。エースの戦列復帰が待たれる
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