
SUVは注目度の高いカテゴリーだがその中でも特に気になるのがジャガーSUVだ。
英国テイストたっぷりなエレガントさと
スポーツカーブランドらしい走行性能を両立させたF-PACEの魅力に迫る。
文・伊達軍曹 写真・茂呂幸正 スタイリスト・松田有記 ヘアメイク・SHUTARO モデル・佐野真彩
text / Sergeant DATE photo / MORO Yoshitada stylistl / MATSUDA Yuki hair-make / SHUTARO model / SANO Maya
ジャガーの創業80周年という記念すべき年に誕生したパフォーマンスSUV「F-PACE」は、SUVならではの高い実用性を誇ると同時に、ピュアスポーツカーである「Fタイプ」由来のテクノロジーと力強いスタイリングを取り入れた、きわめてスポーティなSUV。だが同時に、伝統ある英国ジャガーだからこそ醸し出せる“エレガンス”も際立っているという稀有な存在だ。
最大限にスポーティでありつつも、きわめてエレガント。そんな好ましき二面性を有するジャガー F-PACEのユーズドカーに今、あらためて刮目したい。というのも、気がつけば発売から約3年が経過。それに伴い今、中古車のほうの流通量も注目に値するほど増加している。
2019年5月上旬時点でカーセンサーEDGE.netにおけるF-PACEの認定中古車掲載数は約100台。ちなみにF-PACEの全掲載数は、3カ月前と比較して1.5倍も増加しているのだ(編集部調べ)。各個体のプライスは年式やグレード、ボディカラーなどによりさまざまだが、2年間保証が付く認定中古車のボリュームゾーンは車両価格500万円前後。その付近に走行数千㎞レベルの超高年式物件が集中しているという、なかなかうれしい状況である。

ジャガー初のSUVとして3年前に日本での発売を開始したF-PACE。最高出力や排気量、燃料タイプの異なる4種類のエンジンを用意する豊富なバリエーションを誇る。中古車の流通量が増加傾向にあり、これからの動向に注目したい一台
全長4740㎜に対して全幅1935㎜と、ワイドなボディは直線的なラインと陰影の強いパネルを組み合わせ、エレガントな雰囲気を漂わせる。一方で優美なだけでなく、ボディの80%にアルミニウムを使用する軽量モノコック構造は、車両重量を1920㎏(3ℓ V6ガソリンエンジンを搭載するSは1980㎏)というクラス最軽量レベルに抑えている。前後重量バランスがほぼ50:50であるというのもシュアで軽快な走りを実現させている重要なポイントだ。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式で、リアがインテグラルリンク式。そこに、コーナリング時のアンダーステア発生を抑制する「トルクベクタリング・バイ・ブレーキング」や、トルクオンデマンド型の4WDシステムを補完する「インテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス」を装備することで、スポーツカーライクな走りが可能となっている。
それでいてSUVであることは間違いなく、ユーティリティ性能もきわめて優秀。後席レッグルームはクラス屈指の広さで、リアシートは自在にアレンジできる40:20:40の分割可倒式。荷室容量は標準でも508ℓ、最大時は実に1740ℓに達する。このあたりもまた、F-PACEというSUVの「美しき二面性」の一端だ。
流れるような優美なデザイン
ボンネットからルーフへ流れるラインが実に優雅で、クーペっぽい贅沢さやエレガントな佇まいを感じる。ショルダーラインから下はボリューミーで力強さもある。タキシード姿の男性が降りてきても違和感がない
独自の世界観を演出するインテリア
厳選したレザーを使った内装はラグジュアリーサルーンにもひけを取らない上質さ。10種類のカラーから選べるコンフィギュラブルアンビエントインテリアムードライトはオプション(PUREは設定なし、PORTFOLIOは標準)
重量バランスにこだわったボディ
最新鋭のアルミニウムボディ構造は、強度と剛性を高めながらも軽量化を実現。前後50:50に近い理想的な重量配分の効果も絶大で、優れたハンドリング性能などスポーツカーを思わせる走行フィーリングを発揮する
ハイトルクで力強いエンジン
ガソリン仕様とディーゼル仕様、そして排気量や最高出力の異なる複数のエンジンを用意する。最も排気量の小さな2ℓ直4エンジンでも低回転域からハイトルクを発揮することで、ストレスのない加速性能を実現
流通量が増えてきており、この先、さらに増加することが予想されるF-PACEは、これからがおいしいモデルといえる。なおかつ、ジャガーの認定中古車は、研修を受けた整備士が厳格な検査を実施した車両を、最新技術と純正部品を用いて整備しているため安心感も抜群。さらに走行距離無制限の2年保証が付く
認定中古車相場:470万~880万円(※2019年5月10日時点、編集部調べ)