人気輸入車ガイド
ランチア デルタ HFインテグラーレ 1988~95年
モデル変遷
 | 1986年~  | 1988年~  | 1989年~ | 
 | 1992年~  | 1993年~ | 
1986年:インテグラーレのルーツ登場
 WRCの新レギュレーション、グループA参戦のために開発したのがHF4WD。量販車デルタをベースに、ターボエンジンと横置きフルタイム4WDを採用し、走行性能の向上を図った。
ランチア HF4WD スタイル
↑「HF」とはランチアのモータースポーツホモロゲーションモデルに付けられる称号。High Fidelityの略だ
 このページのトップへ
1988年:冷却性能を向上しデビュー
ランチア インテグラーレ スタイル
↑各部に冷却性能を向上させるエアスクープを増設し、ブリスターフェンダーを装着したインテグラーレ
ランチア インテグラーレ インパネ
↑HF4WDでは小物入れだったスペースに、警告灯やドアの開閉状態を示すインジケーターが追加された
ランチア インテグラーレ インテリア
↑アルカンタラとファブリックの組み合わせのセミバケットシートは、HF 4WDから踏襲されたものだった
 1987年シーズンのグループAで見事優勝を果たしたHF4WDだったが、実戦からいくつかの改良すべき点が浮上した。それは、冷却性能の不足とタイヤ性能の限界だった。グレープAマシンは市販車がベースであることが規定されていたため、ランチア社は改良モデル「HFインテグラーレ」を発表するのである。
 いわゆる8Vと呼ばれる初代インテグラーレは、HF4WDをベースにしてはいるが、冷却性能を徹底的に改善。新たにフロントバンパー、ヘッドライト上部、ボンネット上にエアスクープを設けた。またワイドタイヤを装着できるように、ブリスターフェンダーを採用。これにより195/55R15タイヤを標準化した。
 さらに、ターボのブースト圧と燃料噴射のプログラムを改良して、動力性能も向上させた。
 このページのトップへ
1989年:16バルブ化し200ps仕様へ進化
 1988年もWRCでタイトルを取ったインテグラーレは、常勝を期すために2代目インテグラーレ16V(クワトロバルボーレ)を投入。1気筒当たり4バルブの16バルブヘッドを採用するとともに、ブースト圧アップ、燃料噴射のインジェクター拡大を実施した。これにより最高出力200psを達成した。加えて、205/50R15へのタイヤサイズアップ、インテリアの意匠変更、駆動トルクの前後配分の変更なども実施されている。
ランチア インテグラーレ クワトロバルボーレ スタイル
ランチア インテグラーレ クワトロバルボーレ エンジン
↑外観上で8Vとの違いは、ボンネット上のバルジ(膨らみ)。16バルブヘッドを入れるための措置である ↑16バルブ化、ブスート圧のアップ、インジェクターの拡大により200psの最高出力を達成している
 このページのトップへ
1992年:エボルツィオーネが登場
 1990年のWRCドライバーズタイトルを逃したデルタインテグラーレは、翌年に「進化」という名をつけたNEWモデルをリリース。このエボルツィオーネは、ブリスターフェンダーをボディ一体型とし、空力性向上のためにリアスポイラーを採用。また、大幅なボディの見直しを実施して、剛性、サスストロークの向上を図った。もちろん、タービンや排気系などエンジン各部の改良も行い、その出力は210psにまで達した。
ランチア インテグラーレ エボルツィオーネ スタイル ランチア インテグラーレ エボルツィオーネ インパネ
↑Cピラー周辺への補強材の組み込みやストラットタワーバーの採用で、ボディ剛性を大幅に向上させた ↑基本的なインパネのデザイン変更はないが、メーター内のレタリングが16V以前のものとは異なっている
 このページのトップへ
1993年:最終バージョンをリリース
 1992年のメイクスタイトル獲得を最後に、インテグラーレはWRCのワークス活動を休止する。しかし、市場での人気が高いこともあり、1993年にインテグラーレエボルツィオーネ2を発売。このモデルは燃料噴射システムをシーケンシャル化し、より細かい制御をすることで、出力5psアップを実現。これに合わせて、タイヤサイズを16インチに変更している。またエアコンを標準化するなど、細部にわたって改善がなされている。
ランチア インテグラーレ エボ2 スタイル ランチア インテグラーレ エボ2 シート
↑エボⅠとの外装の違いはAピラーのボディ同色化とホイールの16インチ化、リアスポイラーの大型化だ ↑シートはレカロ製のセミバケットタイプ。トリムはアルカンタラだ。リアシートも同じ共柄となっている
 このページのトップへ